「リベラルアーツ教育に基づく教科指導」
「リベラルアーツ教育に基づく教科指導」
本校では、「教科の枠を超えた学び」をテーマにして、教科ごとの学びを行っています。物事を考えるためには、各教科で学び「基礎学力」を欠かすことはできません。それゆえ、中高時代に学ぶべき知識や教養は丁寧に学ぶことを心がけています。一方で、単純な知識の集約・集積だけでは、物事を深く考えて解決するために役立てることは難しいと言わざるを得ません。それゆえ、授業で扱うテーマ・単元を実社会の課題に結びつけ、また他の教科で学んだ知識を積極的に活用していく授業スタイルをとっています。知識の集約と活用を実社会の最適解に合わせて学ぶ点に、本校の授業の特色があります。
自分の持っている経験や知識を生かして、授業の内容を理解していくという学び方のため、自然と探究的な視点や行動力が身につき、それゆえ相手の考えを理解し、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるという力が身についていきます。
英語科
英語科
神田女学園高校では3年間を通して4技能のスキル(聞く・読む・ 話す・書く)の向上に努めています。 ネイティブスピーカーとの授業はもちろんですが日本人教員の授業 でも、スピーキングやライティングを含めた4技能を高められるよ うな取り組みを行っています。その成果もあり、 英検の上位級の合格者やGTECで高得点を取る生徒が年々増えて います。
語学力の向上にはバランスの良いインプットとアウトプットが必要 ですが、本校には語学の自立学習を支援する場所であるK- SALCがあり、授業外でも効果的な語学学習が行えます。
受験という目標を乗り越えるためだけでなく、 将来働く時に自分自身の道を切り開くための助けになる語学力を身 に着けられるように取り組んでまいります。
国語科
国語科
国語科では、社会構造が複雑化していく現在だからこそ、「ことのは」の重要性を伝えています。そのため、個々が既存の文章の中から、疑問点を見出し、考察し、意見を交わしあい、発言力を養う機会を授業内で設けています。また、場面に応じて、適切な表現で発言できる言語能力を獲得するため、現代文単語の小テストや、小論文指導を実施しています。
古文の授業は、「温故知新」。基礎学力を身に付けた上で受験に必要な応用力を高めるとともに、先人の知恵を深く学びます。さらに、東洋の文献と西洋の文献を比較したり、古今の文献を照らし合わせたりして、今後、よりよく生きるヒントを見いだせるような授業を展開しています。以上のような学習を通じて、あらゆる学問の基礎であり、トリリンガル教育の柱の一つである国語力を育成します。
数学科
数学科
高校1年生では全員が必修科目として数学Ⅰと数学Aを学びます。数や式の計算・図形・関数・確率・データの分析など、様々な問題に取り組むことで、論理的な思考力・判断力・表現力を身に付けていきます。多方面から解の導き方を考えることによって創造性を豊かにし、効率的に物事を処理する力も養います。授業ではデジタル教材も利用し、図形やグラフのシミュレーションを見ながら数学への興味・関心を深めていきます。問題の解説はスライドを用いて行い、同じものを生徒達にも配信しているので、ノートを取りながらではなく、説明を集中して聞くことができます。更に、演習の時間も増え、生徒自身がじっくりと考えながら多くの問題を解くことで学習の成果を上げています。
理科
理科
高校の理科には、必履修の生物基礎・化学基礎と、理系向けに物理基礎・生物・化学・物理、文系向けに地学基礎があります。黒板の文字を写すことに時間を費やすのではなく、問題を数多く解くことに重点を置いています。Chromebookの活用により、生徒のみなさんには授業スライドや問題を紙だけでなくデータで配信しています。いつでもどこでも教材を見ることができ、テスト前には繰り返し問題を解くことができます。
長期休みには看護医療など理系の進路希望者向けに生物実験(解剖)や実験、共通テスト対策や看護医療系対策の講座も開講しています。
また、多くの生徒のみなさんが苦手とする「実験結果を踏まえての考察」や「実験を踏まえての入試問題演習」についても授業で意識的に取り入れています。様々な実験の考察を通して論理的思考力を養います。
社会科
社会科
社会科の授業では、対話の時間と演習の時間を大切にしています。対話の時間では、教員や他の生徒との対話を通して、他者が自身とは違う視点を持っていることを体感し、多角的な視点から物事を考えられる素養を身に着けていきます。そのために、chromebook等を活用して、自分の思考をまとめ、他の生徒と考えを共有する取り組みなどを行っています。演習の時間では、単に知識を身に着けるだけではなく、学び続けることができる姿勢を養うことを大切にしています。このような姿勢は、自分の歩みたい道を切り開いていくために不可欠な要素です。
この二つの時間を通して、物事の本質を考え、一つひとつの学びを深めていきます。変化が激しい時代だからこそ、いつの時代でも必要とされる普遍的な教養をしっかりと身に着けることが大切だと、神田女学園では考えています。
情報科
情報科
情報では、間違いなく「情報」を他者に伝達することの重要性を第一に置いています。まずは「情報」を伝達する際の手段を授業を通じて学びます。そして状況に応じて最適な手段を選択できるようになることを目標として授業を行っています。例えば、相手に自分の意思が正確に伝わらず間違った形で伝わってしまえば「情報」の齟齬が起こりコミュニケーションに失敗します。さらに、相手が機械になった場合、あやふやな表現では機械を思った通りに動かすことはできません。自分の意図を正確に相手に伝える情報伝達の力こそがこれからの時代に必要とされている力だと考えています。
保健体育科
保健体育科
高校生はこれからの人生を歩むうえで基礎となる心身の機能が成熟する大切な時期です。
同時にさまざまな体験、思考を通じて、心を豊かに、体を鍛え身体能力を高める時期でもあります。神田女学園は体育の授業を通じて、体を動かす楽しさ、スポーツの魅力を伝え自ら率先して体育にとりくむ姿勢を育てます。また仲間と競いあいながら相手を思いやる心を育てたいと考えています。また保健では将来、豊かで幸せな人生を過ごすための健康についての知識を定着させていきたいと考えます。
芸術科
芸術科
音楽は、美しいだけでなく、感性を磨き、安らぎを与え、心豊かに人生を過ごすための良きパートナーです。生涯に渡り、音楽を楽しみ、歌う・演奏する・聴く・創る等で、様々な体験を重ね、新しい面を発見しましょう。本校では、音楽を2年間必修としています。その中で基礎力の習得を目指し、特にあらゆる表現活動の基本となる歌うことに力を入れます。
美術は私たちの生活の中で切り離すことのできないものであり、生活をより豊かで潤いのあるものにしているということを再確認してほしいと思います。中学で得た造形の体験と知識を基に、表現や鑑賞という活動を通して美術を愛する気持ちと感性を育み、自ら考え、判断し、計画的に制作する態度や能力を養っています
家庭科
家庭科
家庭科では、これからの時代を生きる生徒が希望を持ち、たくましく、よりよく生きる力を身につけることを目標としています。そのため、義務教育の学習を基本として、さらなる知識や技術を身につけていき、生活面で自立し、異なる世代の人々と「共生」する意識を持ち、自分らしい生活を創造していく力を養います。
フードデザインでは、生命を保ち、成長するために必要な栄養素を学習し、栄養バランスの整った食事計画が作成でき、それらを調理するための知識と技術を習得していきます。多種多様な食品について、栄養的価値、調理上の特徴を体験的に理解し、各自の食生活における献立作成や調理に生かせるようにします。
被服では、日本の文化としての服飾史について学習し、繊維や糸、布の特性、ミシンの扱い方についての基礎知識を理解したうえで、被服製作の知識と技術を実習を通して身につけていきます。
子どもの発達と保育では、子どもの発達の特性や発達過程、保育に関する知識と技術を習得させ、子どもの発達や子育て支援に寄与する能力や態度を育てます。
リベラルアーツ
リベラルアーツ
リベラルアーツ教育とは、学問の制約から人間の本質に立ち返り、物事を自由に考えて、自分の意見を堂々と述べることができるようにする教育です。
本校では、「教科の枠を超えた学び」を行い、その学びが実社会と結びつき、「社会の最適解」を探究できるようにしています。単純な教科別の学びではなく、自分の持っている経験や知識を生かして、授業で扱っている内容を理解していくという学び方を行うため、探究的な学びが自然とできるようになります。
リベラルアーツの学びは、通常の授業の中でも取り扱いますが、総合学習の時間で「ニコル・プロジェクト」として集中的に学ぶ時間を設けています。「ニコル・プロジェクト」で探究した内容は、文化祭でや3月に行われるニコルウイークで成果を発表します。
また、自分の考えを伝えるために、「言語運用能力(ランゲージアーツ)」の教育にも力を入れています。相手の考えや意見をきちんと理解し、そのうえで自分の考えを、相手にわかりやすく、理解してもらえるように理論を組み立てて、言葉を選んでいくことは大切です。そのために、母語(日本語)で考えることや伝えることを大切にし、そのうえで「エイゴで伝える力」を身につけていきます。そして、相手の言語で分かり合えば、より深い相互理解ができることから、第二外国語を選択で学び、いわゆるトリリンガルの教育も行っています。
トリリンガル教育をベースにした本校独自のリベラルアーツ教育は、次世代に求められる力を身につけるために必要不可欠な学びとして、高く評価をいただいています。