中学の学び 教科紹介(中学)

「リベラルアーツ教育に基づく教科指導」

本校では、「教科の枠を超えた学び」をテーマにして、教科ごとの学びを行っています。物事を考えるためには、各教科で学び「基礎学力」を欠かすことはできません。それゆえ、中高時代に学ぶべき知識や教養は丁寧に学ぶことを心がけています。一方で、単純な知識の集約・集積だけでは、物事を深く考えて解決するために役立てることは難しいと言わざるを得ません。それゆえ、授業で扱うテーマ・単元を実社会の課題に結びつけ、また他の教科で学んだ知識を積極的に活用していく授業スタイルをとっています。知識の集約と活用を実社会の最適解に合わせて学ぶ点に、本校の授業の特色があります。

自分の持っている経験や知識を生かして、授業の内容を理解していくという学び方のため、自然と探究的な視点や行動力が身につき、それゆえ相手の考えを理解し、自分の考えを相手にわかりやすく伝えるという力が身についていきます。

英語科

神田女学園中学校の英語カリキュラムは、生徒の将来に役立つ英語4技能(聞く・読む・話す・書く)をバランスよく習得できるよう組んでいます。また、学習歴や習熟度に応じたクラス編成を採用し、苦手な生徒には基礎から丁寧に指導し、英語を楽しく学べる環境を提供しています。一方で、上位層の生徒には英検2級以上の取得を目標とし、幅広い知識と高度なスキルを身につけられる授業を展開しています。

日本人教諭による文法や読解を中心とした授業に加え、ネイティブ教員によるコミュニケーションスキルを重視したオールイングリッシュの授業も行われています。また、身につけた知識をアウトプットする機会を多く設けており、K-SALCでのセッションや学年末のプレゼンテーションショーケースを通じて、生徒は自分の成長と自信を実感する機会を得ています。

3年生からは第2外国語として、韓国語、中国語、フランス語を学ぶことができます。クラスには、母語として日本語や英語以外の言語を話す生徒もいて、より身近に多言語を使って、周りとコミュニケーションを取ることができます。

国語科

●あらゆる学問の基礎となる国語力を育成

中学校国語は、「現代文」「古典」「表現」の時間に分けて学習内容と目的をはっきりさせて学習しています。

現代文は、基本的な語句の意味を知り、例文を作ることで<ことば>を自分のものにできるようにしています。Chromebookを活用することで板書時間を短縮し、生徒が「解く」時間を確保します。教科書の文章を題材にして多くの問を設け、「なぜ、その答えになるのか」という根拠を重視し、筋道をつけて考える訓練をしています。まさに高校国語、大学入試につながる学習です。

古典は、音読を毎時間してリズムや古語に慣れるところから始めます。全員、古語辞典を使って意味や文法事項を調べています。Chromebookを使って、古典作品の作られた時代や生活などを調べて、より深く理解していきます。高校の先取り学習となっており、大学入試での強みとなる分野です。

表現は、中1, 2年生で行っています。総合的な学習の時間「プロジェクト学習」の言語活動の基礎部分を担っています。伝わりやすい話し方やプレゼンテーションの方法、小論文の基礎を学習します。

このように、国語ではすべての基礎となる語彙力を鍛え、思考力と表現力を育てています。

数学科

●実生活を数学的視点から考察


中学校の数学では、疑問を持つことや自分の考えを持つことを大切にしています。基本的な数学の知識を基に、実生活でどのように活用されているかを学んでいきます。教科書だけではなくデジタル教材も利用して理解を深め、反復練習を加えて知識を定着させます。またコンパス、定規を使用したり、図形を組み立てたりとアナログな部分を併用させ、主体的に取り組む姿勢を身につけます。数学的視点でものごとをとらえられるように、日頃から物事に興味関心を持っていきましょう。

理科

●ICTを活用し、実験では仮説を立てる探究的な学びも

教科書やプリントを使った学習や、プロジェクターやChromebookなどICTを使った学習を併用して行い、机間指導でそれぞれ生徒の状況に合わせて声かけをしています。
授業の始めには前回の復習を行い、その日の学習も一つ一つ丁寧に確認しながら授業を進めています。実験については画像や動画、演示を見ながら説明を聞くので、理解が早いようです。単元の最後には、問題集等で学んだことの定着を図っています。
Chromebookでは、プリントの解答の配信、インターネットを使った調べ学習、課題の提出などに利用しています。観察・実験では、実物に触れ、実際に試して、考察力を養うことを大切にしています。実験の前には仮説を立てるなど探究的な学びも取り入れるようにしています。生徒のみなさんも熱心に取り組み、時には自分たちで、実験方法を考えて試し、結果を考察し、発表し合ったりしています。

社会科

●物事の背景を考える力を養う

社会科の授業では、確かな知識を身につけることに加え、物事の背景を考える力を養うことを大切にしています。そのために、「なぜ」を大切に授業を進めることで、知識を深めるとともに思考する機会を多く持つ授業を展開しています。また、Chromebookを使用して、自分の考えや興味のあることをまとめ、発表する時間を持つことで、より深く物事を考え、表現し、他者に伝える取り組みを行っています。地理・歴史・公民を重層的に学ぶことで身に着けられる幅広い教養は、多様な価値観で溢れる現代において物事を判断する礎になります。この礎を三年間でしっかりと築くことが大切だと考えています。

保健体育科

中学生はこれからの長い人生の中でとても重要な時期です。体も心もめざましく成長します。同時にさまざまな体験、思考を通じて、心を豊かに、体を鍛え身体能力を高める時期でもあります。神田女学園は体育の授業を通じて、体を動かす楽しさ、スポーツの魅力を伝え自ら率先して体育にとりくむ姿勢を育てます。また仲間と競いあいながら相手を思いやる心を育てたいと考えています。また保健では将来、豊かで幸せな人生を過ごすための健康についての知識を定着させていきたいと考えます。

芸術科

私達の生活には音楽があふれています。心身共に最も発達するこの時期に、良い音楽に触れることは大切です。授業では、音楽への興味・関心を引き出し、基礎的な表現の技能を身につけ、生涯にわたって音楽を愛好する心情を育てることを目指しています。特に歌唱(独唱、合唱)・器楽(リコーダー、ミュージックベル、和楽器、合奏)などの実技に力を入れ、表現力、創造力を養います。又、合唱コンクールでは、協調性を培いつつ、音楽を感じる心、表現する喜びを体験させています。
美術の授業では、芸術への入り口として様々なことを体験し、物作りの楽しさを味わうことができるように工夫をしています。感じる心、自由な心を大切にし、自らの表現活動を広げていきます。道具の正しい使い方や基礎的な技法を学び、形や色、材質などに対する感覚を磨きます。一人一人の個性に根ざした表現能力を養い、創る喜びから美術を愛する気持ちを育てていく事を目標にしています。

技術・家庭科

技術分野はものづくりを通じた問題解決学習により、「技術によってより良い生活や持続可能な社会を担う資質・能力」を育てることを目指しています。これらの資質・能力を育成するには「ものづくり」という活動は有効です。しかし、単に何かを作らせれば育成できるものではなく、課題の作成などに取り組むことにより、関連する技術の見極めが重要です。
さらに「技術を評価、選択、管理・運用、改良、応用する能力」は、自ら作った作品の評価を行わせることで育成できます。ただし、その段階で終わることはなく「現実社会に存在する技術」や「これから開発される技術」についても、評価できるような能力を育成します。このときも、ものづくりの中で得られた知識を使い、対象とする技術はどのような点が優れ、どのような課題があるのか科学的に理解できる力を育成します。その上で、今後開発される技術についても同様の思考拡大ができる力の育成を目指していきます。
最終的には様々な技術を発達させ、応用化を含め革新的に発展させることのできる能力(技術イノベーション)につながる基礎的な学力も身につける学習を展開します。

家庭分野においては、自分から家族、家族から地域へと段階的に視野を広げ、自分や家族のために進んでよりよい生活を工夫して学習しています。自分の生活を見つめなおし、生活の自立を目指して学習させています。また、食生活においては、「食生活と自立」について段階的に履修し、自立から共生、これからの社会への展望へと視野を広げて食育の充実を図るとともに生活をより良くしようとする能力と態度を育てることを狙いとしています。消費生活においては、消費者としての適切な判断や環境への配慮について学び、衣・食・住の学習を通して生活感を伴った気づきを引き出したうえで様々な言語活動を通し、自分なりに工夫・創造して実践できるようになることを学習します。

リベラルアーツ

リベラルアーツ教育とは、学問の制約から人間の本質に立ち返り、物事を自由に考えて、自分の意見を堂々と述べることができるようにする教育です。

本校では、「教科の枠を超えた学び」を行い、その学びが実社会と結びつき、「社会の最適解」を探究できるようにしています。単純な教科別の学びではなく、自分の持っている経験や知識を生かして、授業で扱っている内容を理解していくという学び方を行うため、探究的な学びが自然とできるようになります。

リベラルアーツの学びは、通常の授業の中でも取り扱いますが、総合学習の時間で「ニコル・プロジェクト」として集中的に学ぶ時間を設けています。「ニコル・プロジェクト」で探究した内容は、文化祭でや3月に行われるニコルウイークで成果を発表します。

また、自分の考えを伝えるために、「言語運用能力(ランゲージアーツ)」の教育にも力を入れています。相手の考えや意見をきちんと理解し、そのうえで自分の考えを、相手にわかりやすく、理解してもらえるように理論を組み立てて、言葉を選んでいくことは大切です。そのために、母語(日本語)で考えることや伝えることを大切にし、そのうえで「英語で伝える力」を身につけていきます。そして、相手の言語で分かり合えば、より深い相互理解ができることから、第二外国語を選択で学び、いわゆるトリリンガルの教育も行っています。

トリリンガル教育をベースにした本校独自のリベラルアーツ教育は、次世代に求められる力を身につけるために必要不可欠な学びとして、高く評価をいただいています。

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