【芸術鑑賞会】ホリプロ「チ。-地球の運動について-」
本校の芸術鑑賞会の目的「未知との出会いを楽しむ」に充分に応えてくれた素晴らしい舞台
『チ。-地球の運動について-』を観劇しました。
勉強の素晴らしさが「普段何気なく通り過ぎていく景色に感動できるようになること」で、
大切さが「立ち止まって考え、異なる思想に触れながら自分の世界の輪郭を広げていくこと」とするならば、
約3時間の舞台は、その両方を体験させてくれる濃密な総合芸術でした。
この舞台との出会いが、多くの生徒の心に火を灯したと感じています。
公演に携わってくださった皆さま、受け入れにご尽力くださった関係各位、
そして会場で温かく見守ってくださった皆さまに心より感謝申し上げます。
社会科と探究活動、そして芸術鑑賞に携わる1人の教員としても、
この作品を通して感じた「真理や感動は、人生をかけるに値する」という想いを胸に、
改めて取り組んでいこうと思えたひと時でした。
才能と情熱が織りなす感動の最高峰をありがとうございました。
以下生徒の感想を一部紹介します
(ネタバレを含みます)
原作と、始まり方と終わり方は違いましたが、舞台なりの始まり方と終わり方が味わえて新鮮ですごくおもしろかったです。
生の音楽演奏と、俳優さん方の緊張感を感じさせる演技がとてもマッチしていて、見ていてハラハラしたし、ドキドキしました。
バデーニとオクジーがノヴァクに見つかってしまって部屋を探索?されるシーンはとても印象的で、釘付けになりました。
雨や、爆弾、霧などの工夫ある様々な演出があり、アニメでは楽しめない舞台ならではの楽しみ方を味わえました。
人々が自分の命を懸けてでも真理を貫く精神にとても感動しました。
今の世界は、「知る」ということがとても簡単で、ネットで調べたりAIに聞いたりするとすぐに答えがわかります。
チ。の舞台の時代は、そのようなものはなく、不便だと思うこともあるけれど、探究心を忘れずに自分が「?」と思ったことについて人生を賭けて探究できる。すごく羨ましいなとも思いました。
今当たり前とされる物事が、自分が歳をとった時当たり前じゃなくなるかもしれないと考えた時、怖いけどおもしろいと思いました。
「地動説」という考えを自分の命を捨ててまで未来に繋げていく登場人物たちの姿が美しかったし、輝いていました。
私も探究心を忘れずに日々「?」を感じていたいです。
私は漫画もアニメも見ていて今回のチ。の舞台はとても楽しみにしていました。講堂での説明で「身体能力に優れいている役者さんを起用している」と言っていましたが、実際に舞台を見てまさにそのとおりだなと思いました。この舞台では地球が動いているのを表現するために壁(段)を動かしながらほとんどその上で座ったり歩いて演じられていたので、身体能力の高い、バランス能力がある、体が柔らかい役者さんたちではないと務まらない難役なんだなと感じました。私が好きな場面はヨレンタが女性差別を受けているがために研究会への参加を禁じられている、そこで他の研究者たちにバレないように井戸に下りてそこで研究会の内容を聞くという原作でも描かれている場面ですが井戸に降りる際にどうやってそれを表現するのか気になっていました。常に動いている壁ブロックを井戸の地中につながっている壁と見立てて役者さんが壁のある階段代わりの部分を使って、まるで井戸の中へ入っていっているような演出がとても興味深かったです。今までの見た舞台と違ってチ。の舞台は天動説が正しいとされている世の中だが実は常に地球は動いている、地動説だということを壁ブロックを動かして表現しているところは発想力がすごいと感じました。石箱を見つけるときも役者さんたちは壁の上、高い位置にいることによって「山の丘だ」と認識することができました。オクジーがノヴァクに捕まって夢を見ている場面がありましたが、舞台では複数のダンサーさんたちがオクジーを持ち上げて逆さまにしたり、ふわふわと浮いているようなまるで宇宙空間にいるような表現の仕方をしていてそこも夢らしい、見事な演出だと思いました。バデーニは常に白いタオルを使ってこまめに手を拭くなど潔癖症のような表現をしていましたが個人的な考えですが、あれはタオルを持ち歩いて手を拭く→綺麗にする、綺麗好き→高い身分であることを示す→貧民との差、を見せてこの時代の身分階級を表している、と思いました。またドゥラカは常にカバンを持ち歩いていましたがあれは金に対する執着心を表しているようにも見えました。舞台を見ることでチ。に出てくる人物たちに対する考察が楽しくなり、歴史に名前は残っていないけれど、C教を敵に回しても世界の真理を求めたい、自分の信念を貫きたいという思いで地動説を研究していた人たちが実在していたのかもしれないと思うとより感動しました。原作とはまた違った良さが舞台で表現されていてとてもいい機会となりました。
すごく心動かされた作品でした。事前学習を経て何を伝えたいか「メッセージ性」を考えながら舞台を観ましたが、言語化をするのがむずかしいほど、感情の揺さぶりが大きかったです。理屈ではなく、心の奥底に直接届くような気持ちを感じました。終演後もしばらく余韻が抜けず、「生きるとは何か」「信じるとは何か」を改めて考えさせられました。舞台全体の演出にも一貫したコンセプトを感じ、ひとつの「思想」を立体的に体験したような感覚でした。俳優の皆さんの声や表情、演出がすべて重なり合って、言葉以上の説得力を生み出していました。物語という形を借りながらも、観客一人ひとりに「真理」とはなにか考えるきっかけを与えてくれるような作品だったと思います。とても貴重な経験になりました。ありがとうございました。
私は、チの原作を読んでいたのですが、原作の印象としてある意味真理に取り憑かれ狂った人々の狂信的な地動説への愛とC教の狂信的な信仰が対比的な関係で書かれており、またそこがメインテーマであり、絶望が多いあの時代の世界にも「この世界は生きるに値するほど美しい」ということが多く表現されていたと思うのですが、この舞台では「地獄に落ちてでも、解き明かしたい物がある」というところが軸に置かれていたように感じました。ワタシ的にはそれが、舞台で伝わる生の感情演技にその覚悟や信念が感じられすごくハマっているなと思いました。こんな機会を用意していただきありがとうございました
まず初めにバリトンサックスとユーフォニアムのアンサンブルから始まったのが印象的だった。そのあとの拷問のシーンが始まる時、出てきた役者さんの動きが滑らかすぎて拷問が始まるまでシリコンドールなのか人間なのか分からないくらいだった。
拷問が始まってから気づいたことは、爪を剥がす度に水しぶきが飛んでその水が後ろのセットに着くことでセットの色が1部変色して血しぶきが飛んだように見せる演出がすごいと思った。
そして次に感動したのはグラスさんが崖から落ちるシーン。あの時は星空の下という描写で、グラスさんが落ちる時、ある程度の時間はワイヤーでつられているだけだったが星が上に上がることで空から遠ざかっていることがわかる描写になっていて技術に感動した。あとグラスさんが落ちる前、セットの後ろに隠れた一瞬でワイヤーのセットを着たのもすごいと思った。
次は黒子さん?について。セットを舞台上に持ってくる時必ず踊りながら入ってくるのがすごいと思った。ただ歩くだけでは「真実」を追い求める作品の雰囲気を崩してしまうからか毎回、滑らかで心情の揺らぎや強さを感じられるようなダンスをしながら移動しているのがすごいと思った。あとはやっぱりどの役者さんも宙吊りになっても顔色を変えずに話し続けたりセリフを言い続けるところに鍛錬を感じた。
12歳の男の子かワインを飲んで自死するところも、まだ12歳になっているとは思えない男の子が役になっていてほんとに尊敬した。ワインを飲んで「1人になりたい」と言ってそのまま静かに死んでいくシーンも息を飲むような感動があった。
事前講習にもあった通り、セットがよく人物の周りを回っていた。セット自体が回ることでもちろん地球が回転していることも感じられたが、それと同時に人物の感情なども感じることができた。
殺陣のシーンで太鼓?を叩いているとき、叩いている人数から強さで殺陣の白熱具合を感じられた。
最後に、「チ。」は舞台化するにはとても難しい題材だと思うけど、原作の良さ、表したいところを残しつつ話が分かりやすくまとまって短くなっていることが何よりもすごいと思った。
初めて生でミュージカルを観ましたが、とにかく音響や役者さんの声にすごく圧倒されました。拷問シーンでは本当にされているかのような演技で痛みが想像できて怖くなりました。そして1番印象に残っているのは、ステージの天井から雨が降ってきたことです。しかもかなりの大雨でより物語に惹き込まれました。生の演奏は素敵な音色で音源が流れているのかと思いました。大道具小道具の出てくる物はあまり変わらず、その中でいろいろ使い分けていてすごいなと思いました。壁に返り血が再現されているところは鳥肌が立ちました。最後まで感動とドキドキが溢れる作品で役者と観客が一体となっていると感じました。
原作やアニメで物語を知っていながら、まず抱いたのは「この壮大な物語を、限られた舞台という時間と空間の中でどう描くのか」という疑問でした。特に、地動説という「異端」の真理が、命を懸けて次の世代へと継承されていく物語の重要なリレー描写を、舞台という形でどう観客に分かりやすく、そして熱く表現するのかとても興味がありました。
演者の方々の魂のこもった演技は、キャラクターが「演じられている」のではなく、「存在していた」と強く感じさせるものでした。原作やアニメとは異なる衣装でありながら、登場人物の本質を見事に表現しきっているのが凄かったと感じました。
特に、アニメではあまり無かったアクロバティックな身体表現を取り入れた戦闘シーンは圧巻でした。武器がシンプルな木の棒であるからこそ、演者の方々の身体表現と登場人物の強い感情が際立ち、アニメとはまた違った緊迫感が伝わってきました。舞台セットがシンプルだったことにも驚かされました。大小様々な無機質な棚という最小限の物を山道、図書館、そして時には拷問室へと変わっていく部分は演劇ならではの表現方法だなと感じました。血しぶきなどの「液体」の表現も、限られたもので最大限の魅力を表現するという、演出の力が伝わってきました。
「命を捨てても曲げられない信念があるか?世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?」が舞台でより響くものになりました。
脚本、演技、身体表現、照明、舞台セット、音楽どれをとってもとても良い舞台で、良い経験となりました
