神田女学園
シロアムの園・公文和子さんとの交流 ~共に生きる社会で、運ぶ喜び、運ばれる喜び~
10月11日(日)、本校生徒会の代表生徒2名が、神奈川県小田原市にある酒匂キリスト教会を訪問し、定期集会に参加させていただきました。
今回の訪問は、昨年度から交流を続けている、ケニアの「シロアムの園」代表・公文和子さんとのご縁によって実現したものです。
公文 和子さん
和歌山県生まれ、東京育ち、北海道大学医学部出身、クリスチャンの小児科医。2000年イギリスにて熱帯小児医学を学び、東ティモール、シエラレオネ、カンボジアでの医療活動を経て、2002年JICA(国際協力機構)のエイズ専門家としてケニアに赴任。以降、ケニアに在住し、種々の仕事に関わった後、2015年ナイロビ郊外にシロアムの園を創設。シロアムの園は、障がい児や家族に対する療育やケア、社会的・経済的な自立支援、地域社会の障がいに対する理解の促進など包括的支援事業を行っている。
共に生きる社会で、運ぶ喜び、運ばれる喜び
この日の集会で、公文さんが語られたメッセージのテーマは「共に生きる社会で、運ぶ喜び、運ばれる喜び」。
私たちは誰もが、誰かを「運ぶ(支える)」立場にも、「運ばれる(支えられる)」立場にもなり得ます。支える立場だからこそ支えられる喜びを知り、支えられる立場だからこそ誰かを支える喜びに気づくことができる。公文さんのお話は、人は一方的に支援する側とされる側に分かれるのではなく、互いに支え合いながら生きているのだと気づかせてくれるものでした。
また、公文さんからは、シロアムの園で共に過ごす仲間たち「アミチ(友だち)」の日々の様子もご紹介いただきました。「支援する人」と「支援される人」という枠を超え、互いの存在を尊重し、共に歩んでいく。そんなシロアムの園の考え方が、現地でのエピソードからも伝わってきます。
集会では、聖書の朗読や讃美歌、祈りの時間もあり、生徒たちにとって初めての経験に触れる貴重な機会にもなりました。
姫竹祭での取り組みを報告
集会終了後には、公文さんにお時間をいただき、生徒会の代表生徒2名が本校の文化祭「姫竹祭」での取り組みを報告するとともに、チャリティ販売の収益を募金としてお渡ししました。
今年度の姫竹祭で実施したのは、神保町の「atacu cafe」、ケニアの「シロアムの園」、本校生徒会による連携企画です。
きっかけは、昨年度のシロアムの園との交流や募金活動でした。「一度きりの支援で終わらせず、継続的な活動につなげられないか」。そんな生徒たちの思いから、この企画が生まれました。
テーマは「地域協力」と「相互支援」。atacu cafeさんにご協力いただき、6種類のパウンドケーキを2日間で計360個販売しました。そのうち3種類のフレーバーは生徒会が考案し、企画から広報、販売まで、生徒たちが主体となって取り組みました。
さらに、商品にはシロアムの園のアミチたちが描いたイラストをステッカーにして貼り、購入された方には、アミチたちの作品を使用したカードもお渡ししました。
パウンドケーキを購入することが地域のお店の応援となり、シロアムの園への支援にもつながる。
そして、アミチたちの作品を通して、遠く離れたケニアの仲間たちの存在を知るきっかけにもなる。さまざまな立場の人々が、それぞれの持つ力を生かしてつながることを目指した取り組みです。
今回、公文さんから伺った「運ぶ喜び、運ばれる喜び」というメッセージは、生徒たちが姫竹祭で大切にしてきた「相互支援」の考え方とも重なるものでした。
交流の最後には、シロアムの園で制作された巾着袋をお土産としていただき、温かなひとときを過ごしました。
「知ること」から広がる学び
本校では、昭和の時代から児童養護施設「心泉学園」との交流ボランティアを続けています。児童養護施設で暮らす子どもたちと、障がいのある方々では置かれている状況は異なりますが、社会の偏見や無理解、支援のあり方など、共通する課題もあります。こうした問題は、ケニアだけでなく、日本を含む世界共通の課題でもあります。
誰もが尊重され、自分らしく生きられる社会を実現するためには、まず「知ること」が大切だと考えています。
自分とは異なる環境や立場にある人々の暮らしを知ることで視野が広がり、これまで当たり前だと思っていたことを見つめ直すきっかけにもなります。
昨年度から始まった公文さんとの交流は、本校にとって大変貴重な学びの機会です。今後もこのご縁を大切にし、生徒たちが社会のさまざまな課題を知り、理解を深める機会を広げていきたいと考えています。
ボランティアや募金活動を、単なる「誰かを助ける活動」で終わらせないこと。さまざまな立場の人々の存在や、それぞれが抱える課題を知り、自分たちに何ができるのかを考えること。
これからもシロアムの園との交流を通じて、生徒たちがそうした学びを深め、行動へとつなげていくことを願っています。
公文和子さんとの交流は、2024年に本研究所の高橋順子所長が行ったインタビューから始まりました。
