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米国留学ビザに関するニュースからの考察

先日、「米留学ビザ原則4年に短縮 9月にも発効」という共同通信のニュースが大きく報じられました。メディアのセンセーショナルな見出しを目にして、「これからアメリカ留学ができなくなってしまうのではないか」「子どもの将来の選択肢が狭まるのでは」と不安を感じられた方もいらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げますと、今回の変更は「アメリカ留学の禁止」を意味するものではありません。まずはご安心ください。

神田女学園グローバル教育研究所の西澤として、今回のニュースの正しい捉え方と、今後の留学計画における注意点について、分かりやすくお伝えいたします。

今回の制度変更とは?

これまでは、日本人学生には5年間有効の学生ビザ(F-1ビザ)が発給されることが一般的でした。今回の制度変更では、その有効期間が原則4年間となります。
ただし、これは「4年間しかアメリカに滞在できない」という意味ではありません。
現在のアメリカでは、学生が在学資格(I-20)を維持している限り、卒業まで学業を継続することが認められています。この仕組み自体は変わりません。

今回変更されるのは、学生ビザそのものの有効期間です。

そのため、4年間を超えて在学し、その後も海外渡航などで再入国する必要がある場合には、一度帰国し、アメリカ大使館・領事館で学生ビザを再申請する必要があります。
ただし、これまでも在学中にビザの有効期限が切れた場合でも、アメリカ国内に滞在し続け、I-20の在学資格を維持していれば、そのまま卒業まで学業を継続することが可能でした。この点については、今回の制度変更後も基本的な考え方は変わりません。

どのような学生が影響を受けるのでしょうか?

一般的な日本人留学生が、高校卒業後に4年制大学へ進学し、予定どおり4年間で卒業する場合は、今回の変更による影響はほとんどありません。

一方で、

  • 大学院へ進学する場合

  • 医学部や建築学部など、卒業まで5年以上かかる課程

  • ダブルメジャーや専攻変更により卒業が延びる場合

には、ビザの再申請が必要になる可能性があります。

とはいえ、これまでも学業の途中で長期間帰国した場合などには、学生ビザを再取得しなければならないケースがありました。そのため、今回の制度は「まったく新しい制度」というよりも、ビザ管理がこれまで以上に明確化・厳格化されたものと理解するのが適切でしょう。

なぜこの制度に変わるのでしょうか?

背景には、トランプ政権が進める移民政策の厳格化があります。
長期間アメリカに滞在する外国人留学生について、一定期間ごとに審査を行うことで

  • 不法滞在の防止

  • ビザの不適切な利用の防止

  • 留学目的以外での長期滞在の防止

を図ることが目的とされています。
つまり、留学生の受け入れを制限するための制度ではなく、ビザ管理をより厳格にするための制度変更と考えられます。

日本人留学生への影響

今回のニュースだけを見ると、大きな制度変更のように感じられますが、実際には多くの日本人留学生への影響は限定的であり、通常どおり4年間で卒業する学生であれば、ほとんど影響はありません。
もちろん、ビザ管理はこれまで以上に厳格になる可能性があります。しかし、それは留学生の受け入れをやめるということではありません。

アメリカには今も世界トップレベルの大学教育や研究環境があり、多様な価値観の中で学べる教育環境があります。その魅力や教育の価値は、今回の制度変更によって変わるものではありません。

ニュースは見出しだけが一人歩きし、不安を招くことがあります。しかし、本当に大切なのは、その制度の内容を正しく理解することです。

今回の制度変更によって、アメリカ留学を諦める必要はまったくありません。安心して将来の進学の一つとして考えていただければと思います。

Author / 西澤 めぐみ
主任研究員(海外留学・進学コンサルタント)

16歳から単身で渡米、ブリガムヤング大学卒業。イエール大学、デューク大学を含む全米7大学で学ぶ。執筆、講演、教育コンサルティング、留学サポートに35年以上携わり、高校生の相談実績は1万人を超える。キャリア・コンサルタント、産業カウンセラー、認定コーチ資格を持ち、”キャリアにつながる海外進学”を提唱している。