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海外と日本の高校教育の違いを分かりやすく解説② ― 大学進学から逆算して考える「国選び」の重要性 ―

前回の記事では、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドと日本の高校教育制度を比較し、「高校での学び方」がどのようにして大学進学につながるのかを整理しました。

今回はその続きとして、各国の制度の違いが、実際の進路選択にどのような影響を与えるのかについて解説します。

各国の制度を比較すると、以下の点に違いが見られます。

  • 大学進学における評価基準:日本は入試が中心、他国は高校成績が中心

  • 科目選択の影響:海外では進学可能な分野を規定する場合がある

  • 進路決定時期:海外の方が早期に方向性の決定が求められる

▼大学進学を中心とした比較表

  • 日本
    大学入試のタイプが増えてきました。例えば「筆記試験」を軸とした入試と高校の成績や論文や面接などのパフォーマンス重視の大学入試があります。難易度が高い大学では前者の「筆記試験」の重要度が高く、一発勝負的な試験です。

  • アメリカ
    高校での成績を積み上げていくいタイプの入試です(日本で言うところのパフォーマンス重視)。つまり、一斉に行い一発的な意味合いの入試ではなく、総合的な成績で合否を決めていくタイプです。

  • カナダ
    大学進学において主に高校最終学年(Grade 12)の成績が重視されます。特に名門大学では、高い平均点が求められるほか、履修科目の内容も重要視されます。

  • イギリス
    イギリスの「A-Level」では、通常3?4科目程度に絞って専門的に学習します。
    大学では、志望分野に関連する科目の成績が合否を大きく左右します。また、関連分野の読書、リサーチ活動、エッセイ、学術的な課外活動なども重視されます。

  • オーストラリア
    高校卒業時に算出されるスコア(ATARなど)が大学進学の主要な基準となります。
    そのため、高校生活全体を通して安定した成績を維持することが重要です。

  • ニュージーランド
    大学進学においてNCEAの取得単位(Credits)が重要になります。
    高校段階から自分の進路に合わせて科目を選択し、必要な単位を積み上げていきます。大学進学には、一定数の単位に加え、指定科目での単位取得も求められます。

これらの違いは、高校卒業後の大学進学に直接影響をもたらします。特に、履修科目や成績が大学進学要件として明示されている国では、高校在学中にどういった選択をするかで、卒業後の進路に制約が加わる場合もあるのです。

各国の制度を理解することが重要である理由

海外では、高校を卒業しただけでは大学進学が保証されない場合が多く見られます。進学要件は各大学・専攻ごとに設定されており、それらを満たすためには高校在学中の履修内容と成績管理が不可欠です。

必要科目の未履修や成績不足により、希望する進路に進めない可能性があるため、大学進学を前提として考える場合は、高校に入学したら計画的に科目を履修していくことが重要です。

進路から逆算した国選びを

高校留学が1年以上になる場合、それは単なる経験ではなく、その後の進路に直結する重要な選択となります。「人気の国だから」という理由ではなく、各国の制度を理解した上で選ぶことが大切です。将来の選択肢を広げるためにも、正しい知識をもとに最適な環境を選んでください。

国ごとの教育制度の違いは非常に重要です。なぜなら、「とりあえず卒業すればよい」という考えが通用しない国が多いからです。特にイギリスやオーストラリア型の制度では、入学時点から大学進学に向けた戦略が必要となります。

現地の多くの生徒は将来のキャリアを意識した学びを選択しており、日本のように「卒業すれば進学できる」という前提は当てはまらない場合があります。

だからこそ、事前に制度を理解することで、「思っていた進路に進めない」というリスクを防ぐことができるのです。


出口(大学進学)から逆算して進路設計するためには「各国の教育の違いを知る」ことがとても重要です。生徒にとって最も成長できる環境を、ぜひ一緒に考えていければと思います。

Author / 西澤 めぐみ
主任研究員(海外留学・進学コンサルタント)

16歳から単身で渡米、ブリガムヤング大学卒業。イエール大学、デューク大学を含む全米7大学で学ぶ。執筆、講演、教育コンサルティング、留学サポートに35年以上携わり、高校生の相談実績は1万人を超える。キャリア・コンサルタント、産業カウンセラー、認定コーチ資格を持ち、”キャリアにつながる海外進学”を提唱している。