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海外コンサル西澤めぐみが伝えたい「留学の真価」ーニュースでは見えない「世界の日常」へー

最近、世界のニュースを見ていると、不安になる出来事が続いています。国際情勢は緊張し、戦争や対立が日々報じられる中で、「今、子どもを海外に送り出して本当に大丈夫なのだろうか」と心配される保護者の方は少なくありません。

私自身、長年留学支援に携わる中で、世界の動きを見て不安になることはあります。しかし同時に、海外で学ぶ若い学生たちの姿を見るたびに、ある確信が強くなっていきます。それは、不安定な時代だからこそ、若い人たちが積極的に世界へ飛び出すことが、未来を生きる力につながるということです。

先日、アメリカに留学している高校生の生徒に電話で話をしました。連日「戦争」のニュースが大きく扱われていたため、現地の様子が気になっていたからです。「最近の状況はどう?」と尋ねると、彼は少し驚いたようにこう答えました。

「ニュースは見ますが、こちらの生活は何も変わっていないです。学校も普通にありますし、友達ともいつも通り過ごしています。」

日本で報道されるトランプ政権下でのイラン戦争のニュースを見ていると、まるで世界全体が緊迫したような印象を受けます。しかし、彼が日常として過ごしているアメリカの高校生活は、驚くほど落ち着いたものでした。

改めて感じたのは、ニュースで見える世界と実際に人々が暮らす日常は必ずしも一致しないということです。もちろん国際情勢を軽視して良いわけではありません。しかし、世界がどれほど揺れても、現地の人々は自身の生活を続け、学び、前に進んでいます。

別の生徒からも象徴的な話を聞きました。彼の通うアメリカの高校では、毎年「フィールドトリップ」と呼ばれる国際学習プログラムがあり、今年彼はアフリカでのボランティア活動に参加予定だというのです。

「現地の子どもたちと交流したり、地域の活動を手伝ったりするんです。すごく楽しみです。」

世界のどこかで対立が続く一方で、若い学生たちは国境を越えて出会い、助け合い、共に学ぼうとしています。これこそが、留学の本質だと私は強く感じます。

留学=英語、というイメージを持たれる方も多いかもしれません。しかし、実際の留学は語学以上の価値があります。異文化の中で生活すること、自分とは違う価値観に触れること、そして困難を自分の力で乗り越えること。その一つひとつが、学生たちを確実に成長させます。

海外の学校では、自分の意見を求められ、ディスカッションが授業の中心になります。最初は戸惑う学生も、次第に「自分の言葉で考えを伝える力」を身につけていきます。また、海外生活では、自分から行動し、質問し、助けを求める姿勢が求められます。勇気が必要ですが、その一歩を踏み出すことで世界は一気に広がります。

もちろん、順調なことばかりではありません。言葉の壁、文化の違い、ホームシック――しかし、それらを乗り越えた経験こそが、彼らの強さとなり、自信となっていきます。

帰国した生徒たちは、決まってこう言います。

「世界には本当にいろいろな人がいることを知りました。」
「留学してから価値観が変わりました。」
「将来はグローバルに活躍できる仕事がしたいです。」

これは単なる感想ではなく、彼らが世界を“体験として理解した証”です。


若い世代が早い段階で世界に触れることは、これからの時代においてますます重要になります。世界の視点を持つこと、自分の国を客観的に見ること、異なる文化を理解し尊重する姿勢を身につけること――これらは大人になってからでは身につけにくい力です。

もちろん、お子さんを海外に送り出すことは簡単な決断ではありません。しかし、留学は人生の可能性を大きく広げる貴重な機会です。

アメリカで落ち着いた日常を過ごしている生徒も、アフリカでのボランティアに挑む生徒も、特別な人ではありません。日本のどこにでもいる普通の高校生です。ただひとつ違うのは、「世界へ出てみよう」という一歩を踏み出したことです。

その一歩が、その後の人生に強く影響します。

世界が不安定に見える今だからこそ、世界を理解し、国境を越えてつながり、共に未来をつくっていく若い世代が必要です。留学は、その第一歩となる経験です。

どうかお子さまの可能性を信じ、世界への扉を開いてあげてください。その経験はきっと、将来の大きな力となって返ってきます。

Author / 西澤 めぐみ
主任研究員(海外留学・進学コンサルタント)

16歳から単身で渡米、ブリガムヤング大学卒業。イエール大学、デューク大学を含む全米7大学で学ぶ。執筆、講演、教育コンサルティング、留学サポートに35年以上携わり、高校生の相談実績は1万人を超える。キャリア・コンサルタント、産業カウンセラー、認定コーチ資格を持ち、”キャリアにつながる海外進学”を提唱している。