海外視察
臨床心理の視点から紐解くデンマーク ― 家具、教育、そして「人」の在り方②
本稿では、異分野への挑戦の中で見えてきた「
成熟という文化と人の在り方
分野を超えて見えてきた「共通する何か」
― デンマークの人々に流れる静かな価値観 ―
たとえ業種や立場は違っていてもデンマークの人々のマインドセット、物の見方や考え方、人への接し方や場の創り方には独自の共通したユニークさがあることに気が付きます。彼らの方が賢いとか優れているとかという文脈ではなく、またわたしの完全な個人的主観的見解と解釈の域をでない話であることをご了承ください。
『日本人は・・・』と十把一絡げにまとめて語ることができないし語られたくないのと同じでデンマーク人はどうであるかを一般化することも定義することもできません。ただ、わたしは個人的にデンマークの人達の仕事のやり方や人への接し方が心地よいのです。
具体例をあげながら一々説明すると表面的なハウツーだけが一人歩きする気がするので割愛するとして、彼らの特徴は、
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いくつになっても学び探求することへのモチベーション
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目先のことで感情を乱されず穏やかで大きく構えた態度
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立場や地位に関係なく互いを敬い、多面的な物の見方をし一方向でジャッジしない
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常にユーモアを忘れないゆとり
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子どものような素直さと無邪気さ
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他人の目を気にしないが互いの心地よさを探り程よい所で折り合いをつける
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自分にとって必要最低限なところで十分幸せだと感じ、個人主義の欧米人にはあまり見られない謙虚さ
と表しておきます。
言うまでもなくこれら全てを完璧に達成し悟りをひらいたような人達ばかりではなく、一人ひとり兼ね備えた素質もそのレベルも違います。
さらに言うと、このような人々の特徴は言葉で説明しても‘言葉で理解した’だけにすぎません。
自分が実際にその場で誰かとの間で体感することで初めて何となくわかったと言えることで、そして他の国に見に行ってそれをテクニックとして自分の所で真似てやってうまくできるような次元のものでもないと思います。
歴史の中でそしてこの恵まれない天候の中でこの小さな国が生き残ってきた術が人々のこの知的態度と精神的成熟さ、そしてどんな予測できない事態であっても光を見い出すその在り方を創ったのではないかと空想します。
日本との対話の中で
― 在り方を分かち合う実践の現場から ―
わたしは一時帰国する際は日本の各地をめぐりそこで活動する団体、企業、自治体とのコラボレーションで講演会、ワークショップ、ミーティングの開催に携わっています。
それがデンマークの教育を紹介することであっても、地方活性に向けたプロジェクトをテーマにしたものであっても、置かれた場と与えられた環境・資源でどのように周りの異なる人々と今を丁寧に生きよりよい明日を創造するかー何も特別ではないデンマークの人達の培ってきた考え方やあり方をわたし達は日本の人達に伝えるようにしています。
