教育実践

神田女学園

【卒業生インタビュー】「好き」を原動力に、国境を越えてデザインのプロを目指す

神田女学園グローバル教育研究所です。

本校を卒業し、現在、韓国の名門・延世大学(ヨンセ大学)で学ぶ岡部さやさんのインタビュー記事を作成しました。

ゼロから韓国語を学び、異国の地で自らのキャリアを切り拓く彼女の姿は、これからのグローバル社会を生きる生徒たちにとって大きな希望となるはずです。

Guest Profile

岡部 さやさん

延世大学 グローバル人材学部 2年生(2026年3月より)

岡部 さやさん

延世大学 グローバル人材学部 2年生(2026年3月より)

神田女学園 卒業生

Q1:なぜ韓国の大学に「正規進学」しようと決めたのですか?

もともとK-POPや韓国料理が大好きで、新大久保にもよく遊びに行っていました。当初は「留学に強い日本の大学」への進学を考えてオープンキャンパスにも足を運びましたが、日本の大学に在籍しながらの留学は、費用がかさむ一方で期間は最長でも2年程度。「本当に自分が納得するまで学びきれるのか」という不安がありました。

そんな時、高校1年生の2月に神田女学園で開催された延世大学の説明会に参加したのが転機でした。母と一緒に話を聞く中で、韓国の大学へ直接進学する「正規留学」の方が、4年間をしっかり現地の空気を感じながら専門性を高められること、そして意外にも日本の私立大学に通いながら留学するよりコストが抑えられることを知りました。その場で「ここだ!」とビビッときて、韓国への直接進学を決意しました。

左:梁(ヤン)先生  右:岡部さん

Q2:合格のために必要だった具体的な取り組みとは?

私は高校に入学するまで、韓国語は「読めない・聞き取れない・喋れない」の完全なゼロ状態でした。しかし、進学を決めるとすぐに担任の梁(ヤン)先生に相談し、必要なステップを明確にしました。

  • 語学検定(TOPIK)の取得:
    出願には韓国語能力試験(TOPIK)の級が必要です。私は高1の2月から準備を始め、梁先生に紹介してもらった外部のオンライン講座も活用しながら、高3の1学期までに目標の4級(現在は5級が推奨されるなどレベルが上がっています)を取得できるよう猛勉強しました。

  • 日常的な「耳」の訓練:
    机に向かう勉強だけでは飽きてしまうので、大好きなK-POPやアイドルのYouTubeコンテンツを「単なるBGM」ではなく「一言一句理解する」つもりで毎日聴くことを習慣化しました。

  • アウトプットの機会を逃さない:
    神田女学園が提供してくれる韓国の高校生とのオンライン交流会や、高2の冬に参加した語学研修、スピーチ大会などは、合格後の自信に直結しました。学校という安心できるフィルターを通して現地の人と対話できたことは、大きな財産です。

Q3:現在、大学ではどのような学びを深めていますか?

延世大学では、1年生の間は仁川(インチョン)にある国際キャンパスの寮で、韓国人学生も含めた全員が共同生活を送ります。3人1部屋の生活は刺激的で、そこでの教養科目を通じて自分の進みたい道を見極めます。

私は今、5つある専攻の中から「文化メディア」を選びました。これまでにポスター制作、動画編集、3Dアートなどを学びました。特にK-POPアイドルのアルバムデザインやロゴ制作といったクリエイティブな分野に興味があり、今学期はそれらの専門的な技術を磨いています。韓国のSNS文化やマーケティング、ゲーム産業についても学んでおり、非常に多角的で実践的なカリキュラムです。

Q4:あなたが考える将来の目標や、これからの社会に必要なマインドは何ですか?

将来は、韓国の音楽レーベルなどで、アーティストの世界観を作るデザイン制作に携わりたいと考えています。

私がこの数年で感じたのは、最初から「完璧な将来設計」ができなくても大丈夫だということです。中学生の頃は「韓国語が喋れるようになりたい」という小さな願いしかありませんでした。でも、その時々の「一番好きな選択肢」を追いかけて一歩踏み出した結果、次々と新しい道が開け、気づけば今の場所に立っていました。

これからの社会は、先々を考えすぎて足踏みするよりも、「目の前の好きなことに飛び込む勇気」と、現場で通用する「アウトプットの力」が重要だと思います。私も現地で「あんたはもう韓国人だよ!」と友人に褒められるまで喋り倒したことで、語学力も自信も飛躍的に向上しました。


韓国語担当:梁先生よりコメント

岡部さんは、私が伝えたアドバイスを1から10まで、本当に粘り強くやり遂げた生徒です。合格が決まった後の複雑なビザ申請や入学手続きも、ご両親を支えながら自分自身の力で乗り越えました。その精神的な強さには、教員としても感銘を受けています。

本校では、1年次でハングルの基礎を固め、2年次からはオンライン交流やホームステイで活用する場面を作り、3年次にはプレゼンテーションを行うという、ステップアップを重視したカリキュラムを組んでいます。岡部さんは、学校が用意した環境を「チャンス」として最大限に活用し、自ら成長を掴み取りました。ゼロからスタートして、名門・延世大学で韓国人学生と肩を並べて学んでいる彼女は、まさに後輩たちのロールモデルです。これからも、そのアクティブな姿勢で夢を形にしていってほしいと願っています。

Author / 川畑 浩之
事務局(ディレクター)

多くの学校・企業との交流や知見を活かして、グローバル教育研究所の事務局として、企画・取材などを担当