アメリカのコミュニティカレッジとは
米国留学ニュースレター
アメリカの大学進学の選択肢の一つとして、「コミュニティカレッジ」を検討する方は少なくありません。成績に関係なく入学しやすい、学費が安い、3年次から良い大学へ編入できる——
「安い・入りやすい・編入が簡単」という魅力的なイメージから選ばれるケースが多いのが現状です。
まず知っていただきたいのは、コミュニティカレッジは本来、アメリカ人(州の納税者)が安く通うための教育機関だという点です。
もちろん留学生でも順調に進学する学生はいますが、そこは、見落とされがちな「大きな落とし穴」が存在します。
① 留学生の実際の費用は、決して安くない
コミュニティカレッジは地域住民(州の納税者)向けに設立されているため、地元学生の学費は非常に低く設定されています。一方、留学生は「州外扱い」となり、授業料は地元学生の3倍以上になるのが一般的です。
※SMC=Santa Monica College(カリフォルニア州コミュニティカレッジ)
※PCC=Portland Community College(オレゴン州コミュニティカレッジ)
これは地域によってかなりの差はありますが、授業料に加え、生活費・保険・教材費などを含めると、年間約25,000〜44,000ドル(約380〜680万円/1ドル=155円換算)が平均的な留学費用となります。これは決して「格安留学」と呼べる水準ではありません。
また、多くのコミュニティカレッジでは学生寮がない、または数が非常に限られており、住居は自分で手配しなければならないケースがほとんどです。
その結果、ホームステイ費用やアパートの家賃が加算され、想定以上に費用負担が増えることになります。
② 「2年で卒業・4年制大学へ編入」は現実的か?
コミュニティカレッジの最大の魅力は「2年で卒業し、4年制大学へ編入できる」という点です。しかし実際には、約80%の学生が4年制大学への進学を希望しているにもかかわらず、6年以内に編入できるのは31.6%にとどまります。さらに、最終的に学士号を取得できる学生は全体の約16%にすぎません。また、約40%の学生が2年目に進級できず途中で離脱しているというデータもあり、「入学のしやすさ」と「卒業・編入の難しさ」の大きなギャップが浮き彫りになっています。
③ 留学生特有の課題
英語力が十分でない状態で渡航すると、以下のような問題が起こりやすくなります。
-
留学生同士で固まりやすく、英語環境が十分に形成されず、英語力が伸びない
-
大学編入や学位取得という明確な目標が曖昧なまま通学し、途中で帰国・学業停滞に陥るケースがある
コミュニティカレッジに通う多くの学生は、仕事をしながら低コストで単位を取得することを目的とした現地学生で、平均年齢は26〜30歳前後と言われています。
そのため、留学生にとって友人関係を築く環境としては決して恵まれておらず、結果的に同じ国出身の留学生同士で行動することが多くなります。
目的意識が希薄なまま通学を続け、挫折してしまう学生も少なくありません。
特に高校卒業直後の学生に、この傾向が多く見られます。
コミュニティカレッジは、いわばカルチャースクールと専門学校が融合したような教育機関です。
そのため、選択する学生には高い自立性・自己管理能力・主体的な学習姿勢が前提として求められます。
だからこそ「安易な選択はしないでほしい」
もちろん、コミュニティカレッジ自体が無意味な選択というわけではありません。
編入に強い学校や、英語力を段階的に伸ばせるESLコースを備えた学校もあり、正しく活用すれば大きなメリットを得られる場合もあります。
しかし重要なのは、
「自分の目的・性格・英語力・将来計画」に照らした冷静な判断です。
「安いから」「簡単に入れるから」といった表面的な理由だけで選ぶと、留学途中で目標を見失うリスクが高まります。
大学進学の計画は、人生設計そのものと直結します。
費用、学習計画、進学ルート、そして卒業後の就職までを見据えた戦略を立てずに進路を決めてしまうと、途中で挫折してしまうケースが実は非常に多いのです。
留学生活において、自分が置かれる「環境」がどれほど重要か。
そのことを、ぜひ知っておいていただきたいと思います。
