海外教育の情報発信

vol.6
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米国の大学進学を考えている学生に朗報です

米国留学ニュースレター

米国H-1Bビザ新規則の最新情報(2025年10月22日)

 2025年9月、アメリカ連邦政府(トランプ政権)は、企業が新たに外国人を採用してH-1Bビザを申請する際に10万ドル(約1,500万円)の手数料を課す方針を発表しました。

 連邦政府は、新たに導入されたH-1Bビザの10万ドル手数料について、米国で学ぶ留学生や最近卒業した学生を対象に免除されることを明確にしました。

 このガイダンスは、以下の学生にも適用されます:

  • 現在米国で学んでおり、卒業後にH-1Bビザを申請する学生

  • 現在OPT(Optional Practical Training)中でH-1Bを申請する学生

  • 2026年に米国大学への進学を開始予定の学生

 一方で、次の場合は対象外です:

  • 卒業後にF1ビザを終了し母国へ帰国する学生

  • 米国外から採用される労働者には10万ドルの手数料が適用されます

 今回の免除により、留学生がH-1Bビザを取得して米国で就職する道がより開かれ、米国企業も優秀な人材を手数料なしで採用できるようになりました。これは、アメリカが世界の競争力を維持し、優秀な人材を経済に貢献させるという政策意図にも沿っています。

 なお、このルールの一部は現在裁判で争われており、今後変更される可能性があります。しかし現時点では、米国で学ぶ学生にとって非常に有利なガイダンスとなっています。

 今回のH-1B制度変更は、留学生にとって大きな「チャンス」となります。アメリカの大学で学ぶ学生は、企業にとってはたいへん魅力的な人材となります。早めにOPTやインターンシップで実務経験を積み、アメリカでの学びを確かなキャリアにつなげることが、今後ますます重要になるでしょう。


※H-1Bビザとは
H-1Bビザは、アメリカ企業で専門職として働くための就労ビザです。大学や大学院で学んだ専門知識を持つ人が対象で、文系・理系を問わず幅広い職種で利用できます。留学生は通常、卒業後にOPT(Optional Practical Training)で就労経験を積み、その後H-1Bビザに切り替えることで長期的なキャリアを築きます。

Author / 西澤 めぐみ
主任研究員(海外留学・進学コンサルタント)

16歳から単身で渡米、ブリガムヤング大学卒業。イエール大学、デューク大学を含む全米7大学で学ぶ。執筆、講演、教育コンサルティング、留学サポートに35年以上携わり、高校生の相談実績は1万人を超える。キャリア・コンサルタント、産業カウンセラー、認定コーチ資格を持ち、”キャリアにつながる海外進学”を提唱している。