トランプ政権による留学者への影響
アメリカ・カナダ留学を検討中の方へ
2025年春以降、アメリカおよびカナダへの留学を計画する学生にとって、ビザ取得プロセスに新たな動きが見られています。特にアメリカでは、トランプ政権の復帰により、学生ビザの審査が見直され、取得にかかる時間や手続きの複雑化が進んでいます。
今回は、最新の情報をもとに、現状と今後の留学準備における留意点をお伝えいたします。
アメリカ学生ビザ:SNS審査の強化と面接枠の制限
2025年5月27日、アメリカ国務省はFビザ(学生)、Mビザ(専門課程学生)、Jビザ(交流訪問者)の申請者に対し、SNS(ソーシャルメディア)上の発言や活動歴を審査対象とする新方針を発表しました。
これに伴い、世界各地のアメリカ大使館・領事館では一時的に学生ビザの面接予約が停止され、約3週間の中断を経て、6月18日に面接業務が再開されました。
再開後も審査体制は強化されており、AIを活用したSNSスクリーニングにより、申請者のオンラインでの言動や、政治的発言、抗議活動歴などがチェックされる体制が導入されています。
また、「在学中の国際学生の割合が15%以下の大学」を優先して面接枠を割り当てるよう、国務省から通達が出ており、大規模大学では予約枠が取りづらい状況が続いています。

日本国内での面接状況とその影響
東京のアメリカ大使館においても、5月末〜6月中旬にかけて一時的な面接停止がありました。6月18日から再開されたものの、面接枠は依然として限られており、希望時期に予約が取れないケースが多発しています。
この影響により、2025年秋出発を目指していた一部の学生が、やむなく2026年1月入学に変更する事例も出ており、今後も予約の混雑が続く可能性があります。
カナダもビザ審査に遅延傾向
比較的審査がスムーズとされてきたカナダでも、近年は申請数の増加と制度変更により、ビザ発給までの期間が長期化しています。
従来であれば約3ヶ月で結果が出ていたものが、3ヶ月以上かかる例も珍しくありません。審査遅延の背景には以下のような要因が挙げられます:
・書類不備への厳格対応
・資金証明基準の強化
・IRCC(カナダ移民局)の人員不足
さらに、カナダ政府は2025年から留学生数の抑制方針を打ち出しており、今年第1四半期(1〜3月)の学生ビザ発給数は、前年同期比で約31%減少しています。
留学を目指す皆さまへ

アメリカ・カナダともに、ビザ取得においてこれまで以上に早期の準備と情報収集が求められています。一方で、制度を正しく理解し、スケジュールを早めに立てることで、着実に準備を進めることは可能です。